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ニュースリリース

国内IPv4 / IPv6ネットワークの経路探索とその可視化 (2026年版)

インターネット上の通信は、宛先に直接届いているように見えて、実際には複数のネットワーク機器や事業者の網を経由して届けられています。

今回、国内のIPアドレスを対象として traceroute による通信経路の測定を行い、その結果を可視化しました。
得られた経路上の中継地点を点として配置し、性質ごとに色分けすることで、国内における通信経路の分布を一枚の図として表現しています。

グループ 分類例
通信会社系 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク等
黄緑 法人向け NTTPCコミュニケーションズ、NTTドコモビジネス、リコージャパン、TOKAIコミュニケーションズ等
電機メーカー系 ソニーネットワークコミュニケーションズ等
黄色 ケーブルテレビ TOKAIケーブルネットワーク、JCOM、大分テーブルテレコム、ZTV等
オレンジ 電力会社系 オプテージ、CTC、QTnet、エネコム等
水色 その他プロバイダ アルテリア・ネットワークス、インターリンク、IIJ、ビッグローブ等
クラウドサービス さくらインターネット、AWS、CloudFlare、Akamai、Linode、Terlstra等
学術機関 NII、SINET、分子科学研究所、東京科学大学、慶應義塾大学、中央大学等
企業ドメイン 富士通、中部テレコミュニケーション、ディックス等
ピンク その他 BBIX、インターネットマルチフィード、JPIX等

 

図の見方について

図の中の点は、通信経路上で観測された中継地点(ルータやサーバなど)を表しています。

点と点を結ぶ白い線は、traceroute によって観測された経路です。

全体が中心から放射状に広がる形になっていますが、これは測定を行った起点が中心にあり、そこから各宛先IPアドレスに向かう経路を描いているためです。

今回は、AWSの東京リージョン上に設置したサーバから測定を行っています。

各ノードのドメイン名から推定される性質に基づき、表の通り分類し、色分けして描画しています。

 

IPv4 と IPv6 における構造の違い

IPv4 と IPv6 の可視化結果を比較すると、通信経路の構造には明確な違いが確認できます。

IPv6 では、起点から末端に向かって階層的に広がる構造が比較的はっきりと現れており、全体として整理されたツリー状の分布を示しています。
一方で IPv4 では、経路が密に入り組んだ構造が観測されます。

これらは、今回の測定条件および手法のもとで実際に観測された形状上の特徴を示したものです。

調査方法

測定対象の選定

本調査では、国内のIPアドレスを対象として traceroute による経路測定を行っています。
測定対象の選定には、IPアドレスに対して地域や回線、利用形態などの属性を付与し、同じ判定の連続するIPアドレスをレンジで表現し1レコードとするデータベースを用いました。
(※弊社ではこのようなデータベースを SURFPOINT として提供しています)

IPv4においては、国内IPアドレスが約2億個(/32)となっており、それらを属性別にレンジでまとめたデータベース上では300万レコード程度まで集約されています。
今回は300万レコードの一部を抽出し、25万件のレコードに対してtracerouteを実行しています。IPv6は国内で約44兆個(/64)、データベース上で200万件に集約されています。こちらも25万件を抽出してtracerouteを実行しています。

このデータベースの作成においては、IPアドレスの属性判定をする際に経路やホスト名、whois情報などを調査することで成り立っています。このような背景から、同じレコードに属するIPアドレスはいずれも非常に似た経路を辿ると考えられます。今回の調査ではより効率的に多様な経路情報を収集するため、データベース上のレコード単位で測定対象を選定することで、重複した経路の探索を回避する狙いがあります。

測定規模について

今回の調査時点で、データベース上の国内レコード数は、IPv4で約300万件、IPv6で約200万件となっています。(IPv6アドレスについては、プロバイダが比較的大きな単位で割り当てをしている実態があるため、集約の効果が大きくなり、データベース上のレコード数は少なくなります。)

この中から、IPv4・IPv6ともに25万レコードを対象として traceroute を実施しました。

それぞれ25万回の traceroute により観測されたノード数および経路数は以下のとおりです。

IPv4
ノード数:74,759
経路数:191,901

IPv6
ノード数:84,204
経路数:129,597

おわりに

traceroute によって観測された通信経路を可視化することで、日本国内ネットワークの構造を俯瞰的に紹介しました。
個々の測定結果だけでは捉えにくい構造も、可視化という形で重ね合わせることで、違った見え方が得られます。

本稿では、国内 IPv4 / IPv6 ネットワークに対する経路探索を行うにあたり、IPアドレスの属性情報を単位としたサンプリング手法を用いました。
今後は、BGPの経路情報など他の公開情報も組み合わせることで、異なる観点から通信経路を捉える手法についても検討し、可視化の切り口を広げていく予定です。

 

 

グラフ画像ファイル:
The Internet of Japan 2026: IPv4+IPv6 / IPv4 / IPv6
The Internet of Japan 2026 (日本語版): IPv4+IPv6 / IPv4 / IPv6

 

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