SURFPOINT™

Case Interview

事例インタビュー

コンテンツ配信における著作権・放送権を保護のIPv6対応を進めるために導入へ

株式会社Jストリーム プラットフォーム本部エンジニアリング推進室兼プロダクト企画部 アーキテクト 高見澤 信弘様にお話をお聞きしました。

次世代のインターネットへの対応に欠かせない技術

弊社は1997年の設立以来、動画配信を中心とした事業展開をしてきました。動画配信は通信容量も大きく、また短時間に大量のアクセスがあるためシステムへの負担が大きく、サービスを支える技術力が問われます。安定してコンテンツをユーザーへ届けるためには、途切れることなく配信する環境・ノウハウが不可欠です。そのプロダクトの多くを自社で開発しており、たとえば「J-Stream Equipmedia(ジェイストリーム・イクイップメディア)」という独自の動画配信プラットフォームは、国内の多くの企業様に導入いただいています。

また昨今では、「J-Stream CDNext(ジェイストリーム・シーディーネクスト)」というサービスにも力を入れています。J-Stream CDNextは、国内のデータセンターに自社設備としての配信環境を構築し、国内トップクラスの配信環境であるCDN(コンテンツデリバリネットワーク)を提供するサービスです。このJ-Stream CDNextを次世代のインターネットプロトコルであるIPv6に対応する時にも、どこどこJPの機能が大いに役立ちました。IPv6に対応したことで、動画の品質や接続状況が飛躍的に向上しました。お客さまからも喜びの声が上がっています。

お客さまの権利を守るための仕組み

メディア系企業様にとり、動画というのはライセンスビジネスです。動画の配信をどの範囲の人たちに見せるかの線引きがつねに必要となります。とくに私たちのクライアントとなる国内メディア企業様においては、国内へのユーザーへの放送、配信が原則となります。テレビ放送であれば国内にしか電波が届かないのですが、インターネットでは世界中からアクセスができてしまいます。そのため、動画を見ているユーザーが国内にいるのか、国外にいるのかを判定する必要がありました。

弊社のCDNには、そういった「ユーザーがどこからアクセスしているか」をIPアドレスから判定する機能があります。アクセス元によってコンテンツを出し分けたり、制限してコンテンツ配信における著作権・放送権を保護しているのですが、ここにどこどこJPを利用しています。

精度の高さが決め手に

IPv6は通信品質の向上が見られる反面、IPv4と比べて広大なアドレス空間となるため、ユーザーに関する地理情報の把握が極めて困難でした。しかしながら、昨今はIPv6の利用者が急速に増えています。ライセンスの保護が求められる弊社のサービスとして、早急な課題解決が求められていました。

そこでGeolocation TechnologyさんにIPv6対応へのお手伝いをお願いしました。Geolocation TechnologyさんとはIPv6インターネット接続を検討するIPoE協議会において一緒にIPv6への対応を協議していたことや、IPoE協議会で取りまとめたデータとマージしてより正確なデータを提供できることなどから、あらためて相談させていただきました。どこどこJPには、IPアドレスによりユーザーの位置情報を特定する機能がありますが、「データの正確性」という点において、他社のデータと比べても間違いなく一番でした。

担当者の柔軟な対応に感謝

今までどこどこJPはAPI型を利用していました。しかし、毎回システムからの応答を待つので、タイムラグが気になっていました。一つひとつのタイムラグは大きくありませんが、大量のデータを扱う弊社としては見逃せない問題です。そこで今回のシステム更新にともない、より使い勝手の良いデータ型のSURFPOINT™に移行しました。その際、Geolocation Technologyさんには無理を言って、どこどこJPをMMDB(MaxMind DB) 形式へ対応していただきました。おかげで、サービスへの組み込みもスムーズに済みました。結果的に、MMDB形式でCDNのエッジロケーションのサーバーに配置することにより、より高速で高品質な処理ができるようになりました。

 

担当者の方の対応も迅速で、開発においても非常に助かりましたし、近年IPv6への対応は、お客さまにサービスを提案する上で極めて重要な基準になってきています。そういう意味でも、この度の改修は他社のサービスとの差別化に一役買ってくれました。また、国内外の判定は他の事業者さんも導入していますが、弊社の強みとしては、この機能をたんにCDNに組み込んでいるだけではなく、APIで提供している点です。これによりお客さまの自身のWEBサイトに組み込んでご利用いただけるとともに、Jストリームの各種コンテンツ配信サービスとも組み合わせることもできます。

市町村データを活用したい

国内外判定を利用されているクライアントはメディア関係の企業が多いです。したがってエンドユーザーの数は膨大なものとなります。メディア系企業様の動画配信トラフィックとしては、全体の60%程度が利用している計算になります。どこどこJPによるエリア判定は、国内・国外だけではなく、都道府県判別にも使えることから、配信情報の選定によるエリアターゲティングも行えます。

今後はこの都道府県判別の機能を使ったサービスを積極的に展開していきたいと考えています。

インタビュー企業プロフィール

株式会社Jストリーム

動画配信に付随する各種SaaSサービスをワンストップで提供

1997年の創業以来、企業向けに動画配信事業を展開。国内ISP・IDCに配信用サーバーを分散配置し、大規模なアクセス集中時も高品質で安定的なコンテンツ配信できる自社CDNを構築。上記配信ネットワークをサービス基盤として、オンデマンド、ライブ、CDNをはじめとした動画配信に付随する各種SaaSサービス、システム開発、Web・映像の企画・制作、運用までをワンストップで提供できる体制を整えています。年間の取引企業は、メディア系企業や国内大手企業を含め1,200社以上、対応案件10,000件以上の実績があります(2024年6月時点)。活用事例では、国際的な大規模イベントやメディア・エンターテインメント事業の他、金融、医薬業界をはじめ一般企業での教育、セミナー、イベント、社内情報共有等多岐にわたります。

URL:https://www.stream.co.jp/